埼玉県立近代美術館で現在開催中の企画展を見て来ました。
この美術館は、黒川紀章さんの設計された建物で、雑誌では見ていましたが初めて行きました。
素直な感想を言えば、美術館その物には、あまり感動を覚えませんでした。
展示の内容は、1953年の丹下健三の木造ピロティ形式の住宅から1976年の安藤忠雄の「住吉の長屋」まで16人の建築家による16の住宅の写真や模型、図面です。
どの住宅も、今見てもそれぞれに考え抜かれた世界観が表現されていて、住宅としての古さを感じませんでした。
特に、70年代の建築家の仕事は、内部空間に完結された都市的な小宇宙を再現しようとする試みが多く見られました。
住宅はあくまでも「私的な」空間であり、普遍性とは離れた、時代や都市との関わりの中から生み出された特殊解だと感じました。
だからこそ、今新たな視点と住空間を考えさせる機会として捉えることが出来ました。
どの住宅も、昔から良く知ったものばかりでしたが、今回長い時間を得て、別の角度から見ることが出来たように思います。
会場で撮影可能な写真を幾つかアップしておきます。
以上、なかなか興味深い展示でした。(S.H)