『賃貸住宅セミナー』の報告

10月 5th, 2011

9月29日(木)に、ある会計事務所主催の賃貸住宅についてのセミナーが開かれ、講師としてお話させて頂きました。
藤沢市の会計事務所で行われ、その関与先の顧客を中心に30名程のセミナーでした。
私の他にもう一人、実際に賃貸住宅経営をされている、熱心な勉強家の事業家の方のお話がありました。
私は、賃貸住宅の設計に永年、数多く係わらせて頂いている経緯の中で、それぞれのプロジェクトの持つ個別の可能性をいかに引き出すかがどれほど重要な事かを痛切に感じていますので、その事を、作る側の立場からお話させて頂きました。
いかに、画一的な賃貸住宅でなく、魅力的な住居の提案が出来るかが大切になると考えています。
そこで、とても重要なポイントとなるのが『テーマの絞り込み』という事になってきます。
テーマを絞り込む事でそのプロジェクトの持つ魅力を最大限に引き出し「高い入居率の保持」と「低い家賃の下落率」の実現につながる事をお伝えしたいと考えました。
私たちが取り組んで来た、約40棟ほどの賃貸住宅の中から敷地特性や環境面を中心に建築的なテーマの絞り込みの例を、スライドを使って事例研究的にお話させて頂きました。

やや手前味噌になりますが、セミナーの時に使った私どもの手掛けた築10年程の賃貸住宅の現時点での空室状況と10年間の家賃の下落率を参考データとして提示させて頂きます。

■事例1(江戸川区)2001年竣工 オールメゾネット12戸
    ・現在空室  1室
    ・家賃下落率 3.7%
■事例2(千葉市) 2001年竣工 スタジオタイプ 18戸
    ・現在空室  1室
    ・家賃下落率 0%
■事例3(座間市) 2001年竣工 スタジオ、ファミリー 40戸
    ・現在空室  3室
    ・家賃下落率 2.8%
■事例4(横浜市) 2002年竣工 スタジオタイプ 27戸
    ・現在空室  0室
    ・家賃下落率 0%
■事例5(藤沢市) 2002年竣工 スタジオ、メゾネット 32戸
    ・現在空室  1室
    ・家賃下落率 3.2%
ちなみに、全国平均の家賃下落率は、この1年間で5%ほどと言われています。
私どものデータは、あくまで10年間の下落率なので、オーナーを中心としたプロ集団(税務・ファイナンス、不動産管理、設計など)の力を結集し、テーマを絞り込み『一生懸命』考えて作った建物は魅力が継続するという結果となっています。

最後に、ストック活用(全国平均の賃貸住宅の空き家率・2008年度:18.7%)の時代になる事が予想されるなかで、【魅力の再構築】としてのリノベーションの役割についてもお話させて頂きました。
セミナー終了後、場所を変えて参加者の方々と懇親会が開かれ、いろいろな方々とお知り合いになれ、またさまざまな話を聞く機会を頂き、とても有意義なセミナーとなりました。
セミナーを主催された、会計事務所の所長さんに感謝申し上げます。
また、セミナーを担当して頂いた担当者の方、ありがとうございました。(S.H)

世田谷区役所庁舎

8月 30th, 2011

現在進行中のプロジェクトの書類を提出する為、
世田谷区役所へ行ってきました。

区役所に到着し迫力のある建物を目にし、
この建物が前川国男の設計であった事を思い出しました。

「折板構造」を用いた、鉄筋コンクリートの建物です。
折板構造を聞くとこれまでは機械的に感じていましたが、
実際には有機的に感じたのです。

第一庁舎と区民会館をつなぐ部分がピロティになっており
こそを抜けると、広場。

区役所で働く人、
仕事で用件で来ている人、
散歩の通り道になっている人、
木陰で一休みしている人、
行き交う人達と周囲の環境と、
その間の関係が建物によってつながれているのを感じました。

だから、有機的に思ったのかもしれません。

当時設計した前川国男は、
どんな事を思い描きながらこの建物を設計しのでしょうか。
彼の著書を読み、探ってみようかと思います。

建築は素晴らしいと、改めて感じた瞬間でした。

折板構造の壁面
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第一庁舎
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ピロティ
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(staff E・H)

渋谷区の住宅が竣工しました。

8月 19th, 2011

渋谷区で進めていました住宅が、先日完成し引き渡しとなりました。
この住宅はコンペ形式による設計者選定でスタートしました。
久しぶりのコンペでもあり、競合する設計事務所も海外の有名設計事務所と聞き、これは何としても勝ちたいと事務所総出で頑張ってプランを考えました。
そして2案をプレゼンした結果、当社に決定して頂いたのがちょうど2年前の7月でした。

この住宅のゾーニングプランの特徴として、LDK,ユーティリティ、水廻りといったパブリックゾーンと、それぞれに専用の光庭のある寝室のあるプライベートゾーンを、中央にある巾4Mの玄関ホールで分けてプランしている事です。

その玄関ホールは2Fにあるセカンドリビングに繋がる階段がある吹き抜け空間となっています。
そして、ホールの先には睡蓮の浮かぶ水盤と、施主が海外で購入したガラスのオブジェがあり、住宅全体を印象付けるシンボリックな空間です。
2Fのセカンドリビングには、南北にそれぞれの大きなデッキテラスがあり、両側に面したサッシでとても解放感があります。

大きな住宅を創る上で注意すべきポイントとして、その大きさ故の間延びした建物にならない事が重要です。
今回、それぞれの諸室のボリューム感による空間のダイナミックさと、機能的な使い方としてのコンパクトな部分の相反する両面を兼ね備えたプランが出来たと思っています。
(staff.Y)

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宮ヶ瀬ダム

8月 17th, 2011

夏休みの13日(土)に、宮ヶ瀬ダムに行ってみました。
本当は、群馬の『吹割の滝』に行ってみようと考えていましたが、帰省の渋滞のニュースを見て急遽方針変更しました。
このダムは、神奈川県愛甲郡愛川町と相模原市青山、愛甲郡清川村に跨がっています。
2,000年12月に完成した、総貯水量約2億トンという、首都圏最大のダムだそうです。
土地の交渉等も難航したようで、完成まで29年も掛かったそうです。
実際のダムを目の当たりにすると、良く作ったなと思わせる感激がありました。
以前一度行った事がありましたが、その時はまだダムは完成していませんでした。
今回は、さまざまな施設も整備され、ダムの中まで入り見学する事ができました。

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このダムの水は、横浜市、川崎市、相模原市等神奈川県の2/3の地域、県人口の90%への上水道供給、直下流に併設された神奈川県企業庁の愛川第一発電所による最大出力24,000KWの水力発電にも使われています。
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宮ヶ瀬湖の公園もきれいに整備され、吊り橋も完成していました。
都心からも近いのでちょっと出掛けるのにとても良い場所だと思います。
小さな子供さんのいる家族や犬の散歩にも良いですよ。

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放流の時は、とても迫力があり、お奨めだそうです。
今度、放流の時に行ってみようと思います。(S.H)

10年目の修繕報告(川崎の賃貸マンション)

7月 29th, 2011

計画工房が10年前に手掛けた、川崎市中原区の賃貸マンション(鉄筋コンクリー造3階建)の10年目の本格的な修繕が完了しましたので、報告させて頂きます。
昨年の11月に、オーナー様より連絡を頂き、来年で10年目を迎えるので、本格的に手を入れようと考えているので、どのように進めるか、調査・研究を含めて早めに始めたいとの連絡を頂きました。
その後、オーナー、建設会社、我々設計とで総合的に建物をチェックし、建設会社さんの方で作成した建物診断報告書により、専門の業者さんも交えて、具体的な修繕方法を協議しました。
普段から、とても手入れの良い建物ですが、さすがに10年経つと外壁も汚れ、目隠しの板材も部分的に補修の必要な部分が出ていました。
温水による高圧洗浄の後、ナノの粒子がコンクリート躯体に浸透し躯体性能を向上させるナノコンシーラという改質強化剤を塗り、乾燥後仕上げにナノコンスーパーという撥水剤を塗布しました。
その他鉄部の塗装や木材部の補修、本体部の防水は何ともありませんでしたので、一部庇等の防水を施し完了しました。
修繕前と後の写真をアップしておきます。

修繕前の外観(全体)
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修繕後の外観(全体)
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修繕前の外観(部分)
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修繕後の外観(部分)
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修繕後の別の外観
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このような形で、自分の設計した建物と永くつき合える事は、とても大切な事だと感じています。
今回は、本格的に10年間の経過を調査した上で、その修繕方法を組み立て、計画的に進める事ができました。
その間、専門業者さんからの最新の情報も踏まえ、さまざまな学びと発見がありました。
オーナー様をはじめ、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。(S.H)

[スタッフより]
今回の修繕計画を一緒に携わらせていただきました。
当初現地を拝見した際は建物を綺麗に維持されているなと感じましたが、修繕を終え足場が外れた姿を見た時はとても驚きました。
新築の様なメリハリと輝きがそこに戻っていました。
こうして新旧の比較をすると、10年の歳月で実際に分からないところで劣化や汚れが進行しているのだと改めて気付かされます。
修繕がいかに大事かという事をつくづく痛感いたしました。(staff.M)

異業種交流会2011

7月 27th, 2011

7月22日(金)に開催されました、異業種交流会のレポートをさせて頂きます。
昨年もご報告させて頂きましたが、この交流会は、当社が税務でお世話になっている会計事務所の主催で開かれるものです。
業種の異なる様々な中小企業の出会いの場を作ろうと、会計事務所の関与先の交流の場となっています。
今回で9回目を迎え、毎年パワーアップしているように感じます。
スタッフの皆様が、仕事外の時間を使って、アイデアを練って準備されているとの事で、とても素晴らしい活動だと感心しております。
第一部は、毎年恒例の講演会から始まり、その後第2部の異業種交流会という2部構成となっています。
今年の第1部は、化粧品の世界最大手と言われているロレアルの日本法人、日本ロレアル株式会社でビジネスエデュケーション部長をされている、戸谷益三氏の講演でした。
魅力アツプセミナーというタイトルで、返事、挨拶、頷きという社会における基本的なことを中心に話されました。
気持ちの良い『空気づくり』のための挨拶、返事の大切さ、コミュニケーションをスムーズにするための『頷き』についてたいへん面白く話され、あっと言う間に2時間が過ぎて行きました。
成功し続けている会社は、社員が『わくわく』しているという話が有り、改めて人間は常に『わくわく』していなければ新たな“発見”や“発想”は生まれないと気付かされました。
また、元々児童心理学から発展し、さまざまな教育の場で使われるようになった言葉、『ストローク』と『ディスカウント』についての興味深い話がありました。
ストロークは、相手の存在や価値を“認める”働きかけの事、逆にディスカウントは、相手の存在や価値を“軽視”または“無視”する働きかけの事を指し、この事が与える影響についての話がありました。
人間の信頼関係にどれほどストロークの貯蓄が大切かという、普段分っていそうで実行出来ていない事柄だと思いました。
ストロークは、『心の食べ物』という言い方まで有るそうです。
いろいろな点で、今の自分の気持ちに突き刺さるものがたくさんある講演会でした。

第2部の異業種交流会は、たいへん盛況で、スタートから多くの方々にブースを覗いて頂き、楽しい交流会となりました。
私は、打合せが有り途中退場しましたが、残ったスタッフの報告では、その後も多くの方が覗いてくれ、興味深く見て頂き、質問等も多くあったとの事で、交換した名刺の数もかなりな枚数となりました。
また、会計事務所の方に精力的に動いて頂いたお陰で、多くの方と知り合う事ができました。
とても有意義な、会になったと思います。
やはり、人生は『出会い』だと、つくづく再確認の一日となりました。
このような交流会を開いて頂き、会計事務所の所長さんはじめスタッフの皆様に、心から感謝申し上げます。(S.H)
当日の様子をアップしておきます。
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緑のカーテン2011

6月 30th, 2011

今年は、いつもの年よりも一層夏場の節電を意識し、昨年より10日程早い、5月1日(日)にグリーンネットを設置しました。
今年は、息子も部活やら勉強やらで私一人での設置作業になりました。
昨年作成したネットの設置なので、手慣れた感じはありましたが、その日は風が強く、ネットが絡まるなどのトラブルと格闘しながら、なんとか上手く設置することができました。
我が家では、ゴーヤが今ひとつ不人気なので、サラダゴーヤという苦みの少ない白いゴーヤと宿根アサガオのミックスとしました。
あれから、約2ヵ月経過した状況がこの写真です。

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かなり成長して来ましたが、猛暑がすでに始まっており、緑のカーテンの成長が追いつかない状況です。
ここのところの暑さを考えるとこの先どうなるのか、心配になってしまいます。
皆様もくれぐれも熱中症には、気をつけて下さい。
睡眠、食事、水分補給など出来る事からやって行きましょう。
もう少し成長しましたら、また報告させて頂きます。(S.H)

嬉しい1日

5月 23rd, 2011

たいへん、個人的な報告で恐縮ですが、5月21日(土)に私、平野智司が56歳の誕生日を迎えました。
当日は、朝から打合せの為、外出をしており、夕方戻ってから天候も良かったので、我が家の小さなデッキスペースで焼き肉パーティーをしました。
その後、家族が用意してくれたバースデーケーキでお祝いをしてもらいました。誕生日を喜ぶような年齢で無い事は自覚しているつもりですが、やはり照れくさいながらも、うきうきした気分になります。
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また、さらに二人の娘からノートで世界的に有名な、イタリア・モレスキン社から4月に発売されたばかりのバックパックをプレゼントしてもらいました。
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たいへん感激しています。大切に使わせてもらいます。ハードな日々が続いておりましたので、とても気分の開放される時間になりました。まだまだ老け込むわけにはいきません。またこれから、一層積極的に活動して行きたいと思います。個人的な報告でした。(S.H)

下高井戸でビルのリニューアル工事が完了致しました。

5月 13th, 2011

今回手がけたのは、3階建ビルで、
賃貸3室とエントランス.共用階段のリニューアルです。

賃貸の部屋です。
縦長の部屋を2つに分けていた既存の壁を壊して全体に一つの空間としてつなげながら、仕上のクロスの張り分けをする事でダイニングスペースと居室スペースをわけました。部屋のスペースと形が限られているので、色分けをする事で空間にメリハリをつけてみました。

リニューアル前
賃貸旧
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リニューアル後
賃貸新1
賃貸新2

次に、エントランス.共用階段です。
全体はモノトーンにして壁にアクセントクロスを貼り、住戸の玄関ドアにはダイノックシート貼り加えて、品が良くまとまるように仕上を選びました。床を黒にする事で、幅が狭く1階〜3階まで長い階段の空間が広くスッキリと感じられるようになりました。

リニューアル前
階段旧

リニューアル後
階段新

既存部分の利用があった為、納まり等に困った箇所も多くありましたが、施主のご理解と工務店の協力により、とても良いリニューアルに仕上がりました。
(staff E・H)

『綾瀬の集合住宅が完成しました。』

5月 10th, 2011

東京都足立区で建設しておりましたRC造3階建ての集合住宅が先日無事に完成しました。
この建物は綾瀬駅から程近い商店街の中に位置し、その場所に溶け込むよう建物の高さをあえて抑えた計画がなされました。

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外壁は質感のある黒いタイルを使い、ポイントでレンガを取り入れました。落ち着いた高級感のあるとても良い仕上がりとなりました。
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住戸は単身から2人暮らしまでを想定した広さになっており、間取りにバリエーションをもたせ入居される方のニーズに応えます。
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このタイプは水回りを中心に、その周りを回遊できるようになっており、稼動間仕切りの開閉によって様々な使い方が可能です。

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モノトーンでまとめたタイプです。稼動間仕切りによって居室と水周りが分けられます。
なるべく「廊下」という概念を無くし、居室が広く使えるよう心掛けました。

正式には近々ホームページの方へアップしていきたいと思います。
(staff・M)